サッカー蟻地獄

ガチだったこともあるサンフレッチェ広島サポーター&割とガチな飯田里穂さんファン&割と長い距離を走る自転車の話、などをしています

流れを読んでいる応援とかイングランドスタイル(笑)とか

たまたま目に入った記事なのですが・・・

【吉沢康一コラム】埼玉スタジアムから人が減った理由
「埼玉スタジアムから人が減った理由」について反論してみる

埼スタの観客数が減ろうが知ったことじゃないが、気になるところはあるので絡んでみる。
ちなみに吉沢氏のコラム、後半はまあ知らん。

吉沢氏が勘違いしていること

サポーターは観客のために歌うのではなく、選手のために歌う。
そのために人数が必要なら観客を増やすことを考えるケースもあろうが、自分たちが信じている(=選手のためになると考える)方向性に進んで、観客が減るのであればそれは仕方ないと考えるだろう。

歌う側が流れを読まないとかはありえない

一定程度行っているサポーターだったら、どんな時にどんなコール、とんなチャントが出るかなんて話せる。もちろん、「えー、今のタイミングでこのチャント??」っていうこともあるし、「ここはぜひあれを歌いたい!」っていうこともある*1。例えば広島なら、アレアレ広島は試合開始直後や引き分けの場合に力を振り絞って一点とってくれ!っていう時だし(他にもあるけどまあとにかくしんどいチャントだw)、Go Westとかは勝ちを確信した時とかだし。アウェイで勝って帰るときは♪帰ろ〜帰ろ〜広島へ帰ろ〜、だし。

まあとにかく、自分はサポーターだ、と自負している奴でシチュエーション理解せずに歌っている奴はいない。ぼんやりとでも、どんな時に歌うかは理解している。断言してもいい。ただし、それを他の観客が「流れを読んでいる」と感じるかどうかは別の話。観客の殆どはそんなことを考えてはいないと思うけどね。

人数によってチャントの長さは変わる

浦和は非常に人数の多いサポーターである。反して、今でこそ1000人単位で集まるようにはなったが、広島はサポーターが少ない部類に属していた。2004年あたりだったか、友人の浦和サポが等々力での川崎F-広島戦の広島の応援を見て一言。

「うわ、チャント短けぇ!ありえねぇ!」

浦和ではそうだろう。人数が多いと、流れがしっかりこちら側になくても力ずくで持ってくることもできるし、その雰囲気を作るために歌うこともできる。歌うのかきついチャントでも、人数が多いと休み休み歌える。こういった理由で、長いチャントを選択しやすい。しかし、人数が少ないとその踏ん張りは効かないし、見てしまう人が多い状況になるとチャントをスピーディーに変えていくことのほうが重要になる場合が多い。ちなみに人数に影響されるとはいえ、見てしまう人が多い代表戦では短め。続けられる人の多さによると思うが、その点浦和は圧倒的。

スタイルによって流れを読むかどうかも決まる

これはボカの話になるが、彼らは常に、徹頭徹尾、世界中どこのスタジアムでも、ゴールが決まっても決められても空気も流れも読まない。ずーっっっっっっっっっっっとコーヒールンバ歌ってる。
「俺たちはここにいる。いつでも歌ってやる」そういうスタイルがあるということだ。

イングランドスタイル(笑)

自然発生的に出てくるチャントが無条件にいいと思っているからそういう意見が出てくる。
自然発生的なチャントは主観的に見る分には確かに気持ちいい。自分から広がるチャントはたまらない。が、デメリットもきちんと認識すべきです。

・じわーっと広がっていくがゆえにタイムリーさに欠ける
・歌いはじめる人の力量に流れを読んでいるかどうかが左右される
・個人の感情に左右されるため、苦しい時には歌われにくい。

日本でやったらまあ、間違いなくシーンとしたスタジアムになるよ。あまり知らんけど社会人ラグビーみたいな感じで、歓声だけ。それもいいけど。
イングランドのようには絶対にならないし、シャイな日本の観客がそんなことをするつもりもないでしょう。結局何人かが中心的な役割になって、同じようになっていくよ。

コールリーダー形式は日本が伝統の上に選びとったスタイル

吉沢さんはイングランドスタイルがお好きなようなので違うのでしょうが、日本人は割とだれかがリードするタイプの応援が好きですね。プロ野球でもトランペット鳴らしてみんなでメガホン鳴らして応援するし、バレーボールもニッポンチャチャチャだし、古風な応援団でも団長が拍子を取って太鼓を打ち鳴らして応援する。そういう観点では、誰かがリードする形式は違和感なく受け入れられているだけの話。

個人的な意見で全く検証はしていないが、応援は古来の祭の延長上にあると思う。拍手や太鼓、鳴り物が使われるのも音で邪気を祓う意識があるのだと思うし、応援団の白手袋など完全に清めである。誰か一人が前に立ち、皆で向きあおうとまとめる形式は、相撲も同じと感じる。日本でこのようなコールリーダー形式が定着したのは、変な話ではなくむしろ当然なのかも。

日本の文化に染み付いた応援文化の文脈を無視してイングランドスタイル(笑)が素晴らしいと言ったところで、虚しいだけだ。

最後にこれだけは

吉沢氏、爆心地とはこういう場所(閲覧注意)だ。一緒にすんなボケ。

*1:この反省会的なものはよくハーフタイムや試合終了後にやられている。リーダーも大変だw