サッカー蟻地獄

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浦和への処分は800万円程度の罰金と予想

まだまだ話題の例の件ですが。

今回もまた、「勝ち点剥奪だ!」や「除名しろ!」など、いろいろ意見が出ている。
が、Jリーグによる今回の処分は、

浦和だけに800万円程度の制裁金

となるだろう(JFAからはおそらく、ないだろう)。
きっかけがG大阪側にあるとはいえ、
前例を鑑みるとG大阪には制裁金なし、
または、課されたとしても金額自体も最大で同程度と考えられる。

以下でそれを考察する。

Jリーグが課しうる制裁
Jリーグが処分として選択しうるのは、以下の5種類。

第149条〔制裁の種類〕
1.Jクラブに対する制裁の種類は次のとおりとし,これらの制裁を併科することができる.
(1)譴責    始末書をとり,将来を戒める
(2)制裁金   1件につき1億円以下の制裁金を科す
(3)勝点減   リーグ戦の勝点を1件につき15点を限度として減ずる
(4)出場権剥奪 リーグカップ戦における違反行為に対する制裁として次年度のリーグカップ戦への出場権を剥奪する
(5)除名    Jリーグから除名する(ただし,総会において正会員現在数の4分の3以上の多数による議決を要する)
Jリーグ規約(PDF)
出場権剥奪、除名にはさすがにならないだろうから、
1〜3のいずれかと言うことが予想される。


■制裁金の最高額
該当するのは以下の2項目である。

第157条〔1億円以下の制裁金〕
次の各号のいずれかに該当する場合は,1億円以下の制裁金を科す.
(2)第51条〔Jクラブの責任〕各項の義務を怠り,選手,チームスタッフ,実行委員,運営担当,広報担当,審判員または観客等を死傷させた場合

第159条〔2,000万円以下の制裁金〕
次の各号のいずれかに該当する場合は,2,000万円以下の制裁金を科す.
(9)第51条〔Jクラブの責任〕各項に違反した場合
【一部加工:Jリーグ規約(PDF)

そして、その第51条とはこういう内容だ。
第51条〔Jクラブの責任〕
1.ホームクラブは,選手,チームスタッフ,実行委員,運営担当,広報担当,審判員および観客等の安全を確保する義務を負う.
2.ホームクラブは,観客が試合の前後および試合中において秩序ある適切な態度を保持するよう努める義務を負い,ビジタークラブはこれに協力する義務を負う.
3.ホームクラブは,前2項の義務の遂行を妨げる観客等に対して,その入場を制限し,または即刻退去させる等,適切な措置を講ずる義務を負う.
Jリーグ規約(PDF)


■実際の金額はどの程度か?
2005年4月23日、柏-名古屋(柏ホーム)で発生した乱闘事件は、
十数名の負傷者を出したものであった(柏リリース)。

この時の制裁金は過去最高とはいえ、1000万円。
つまり、負傷者を出したとはいえ、死者は出していない。
義務を怠ったわけでもなく、「1億円以下の制裁金」にはあたらない、
という判断であった。

今回も義務を怠ったというわけではなさそうであるから、
枠としては「2000万円以下」という事になりそうだ。
しかも、負傷者は柏のケースよりも少なそうである。

また、柏のケースでは名古屋への制裁は無かった。

となると、
制裁が制裁金であると仮定すると、
「浦和への制裁金は最大で1000万円」というのは妥当な予想ではないだろうか。

ただ、一点気になること。
柏は発生から4日で、柵を乗り越えて暴行を行ったサポに対して
具体的な処分を発表した
しかし、浦和は柵を乗り越えたサポーターについては22日20時20分現在、何も発表していない。
この対応の差によって何らかの差が発生しないとは言い切れない。
・・・が、決定的な差にはならないだろう。


G大阪への制裁はあり得るか?
微妙なところ。
浦和が該当すると思われる第51条違反は1および2項の2項目か、1〜3項の3項目。
しかし、G大阪は「ビジタークラブはこれに協力する義務を負う」という2項のみ。
チームとしては協力しているので、特に違反していないとも言える。

最大でも、譴責程度ではないだろうか。


■浦和の勝ち点減はあり得るか?
おそらく、ない。
メディア的には今回の方が大きな扱いとなったが、
より酷い前述の前例もあることだし、
前回の制裁よりも大きくなることはないのではないだろうか。

ということで、


浦和への制裁は800万円程度、

G大阪への制裁はなし


というのを僕の予想としておきたい。
これを上回るようであれば、それはJリーグの危機感の表れと見ていい。


ちなみに、過去の考察はこちら。
柏への処分を考察する
川淵の「裏金を渡すと即降格」は可能か?
ベットをとりまく人々