あるベンチャーの採用基準、というか見ているところ
私、あるベンチャーで人事をやっておりまして。Twitterほったらどこかはすぐわかると思います。
久しぶりに記事を更新するのでたまには真面目なことを。
ベンチャー企業が求めていること、見るポイント
ベンチャーは、安定して成長している事業が少ないか、またはありません。
したがって、事業を作っていくこと、組織を作っていくこと、その中心で活躍してくれる人を求める傾向が強いです。
そういう中では、
状況がわからない、カオスな中でも成果を出せるか?
ということだけを見ています。あとはその大きさ。程度問題です。
もちろん、「自社にマッチするか?」というのも見ていますが、これは一般的になりにくいので今回は書きません。
概要
結論から言うと特に3つです。
- 地頭
- 自己責任感の広さ
- 対人感受性
もちろん他にも「熱量」「ストレス耐性」などありますが、絞るならこの3つかなと。
順に書いていきます。
①地頭
「地頭」というと、偏差値高いやつがいいんでしょ、と誤解を受けやすいのですが、違います。僕がいう地頭というのは、
「一般・抽象」と「個別・具体」の間を行き来した思考ができる
ことです。もちろん、議論の深さを出すためにはベースとなる基礎学力は必要ですが、それだけではないのがポイント。
一般・抽象から個別・具体の課題を解く、と言うのは「数学の法則を学んで、個別の問題に当てはめて解く」というイメージです。
この例のとおり、受験勉強で特にトレーニングされるので偏差値に一定程度比例する傾向があります。
一方で、個別・具体の事例を集めて一般・抽象に持っていくのは「実験を重ねて法則性を導き、一般的かどうかを証明する」というイメージです。
そのため、研究やゼミ、具体的な行動が伴っていないとトレーニングされませんし、偏差値にはほぼ比例しません。
徹底的に現場で叩き上げられた人でも、ここが協力な人はたくさんいます。
これらを自分の力でぐるぐる回して思考ができないと、自分で進めることはできません。
事業を作っていくのは、説明書のない、何をやったら勝ちかわからないゲームをやるようなものなので、
試行錯誤の中でゲームのルールを見つけ、その中でもプロセスを作っていける人でないと、活躍するのは難しいのです。
②自己責任感の広さ
自分のことしか興味ない人は、チームで何が起こってもそれを解決しようとは思いません。
チームにしか興味ない人は、会社で何が起こってもそれを解決しようとは思いません。
同じように、会社にしか興味ない人は、社会で何が起こってもそれを解決しようとは思いません。
事業は、社会で起こっている問題を解決するものですので、
社会で起こっている問題について、自分で解決したい、と思うことができなければ事業にはなりません。
例えば、ネットいじめが原因で自殺、というニュースに触れて
「へー、そういうこともあるんだー」という人にはこれを解決する事業はつくれませんが、
「これは解決しなければならない」と思う人には作れるかもしれない、ということです。
③対人感受性の高さ
事業は一人ではできません。ですので、自らビジョンを示し、巻き込んでいく必要があります。
そのため、人に応じて最も刺さる言葉を投げかけられる人、それを見抜くことが必要です。
例えば、ゼミ合宿に誘うのにある人には「温泉があるよ!」と誘いますし、ある人には「**さんも来るよ!」と誘うと思います。
それと同じで、何を求めているのかを的確に見抜き、それをビジョンとともに提示してはじめて、巻き込みができるわけです。
さいごに
まあ、これはいち側面ですし、他にも大切なことはありますが、参考になればと。
地頭については、他の表現がないかなと考えています。ホントに。